2020年2月9日 臨時(川西市主催「生物多様性ふるさと川西戦略シンポジウム」パネル展示に参加
2020年 02月 10日
2020年 02月 10日
2020年 02月 05日
2020年 02月 01日
アラカシ (粗樫 常緑高木 ブナ科)
花期4~5月 果期10~12月
ドングリのことについていろいろ調べていたところ、高知県の安芸市、煮ても焼いても食べられそうにもないアラカシのドングリを使った料理が、かし豆腐という名の伝統的な郷土料理として伝わっているという情報に行き当たりました。
渋みのあるアラカシのドングリが食べられるようになるまでには、何日も水にさらすなどの手間をかける必要があるそうですが、このドングリをかじった経験のある者から言えば、それもむべなるかなと納得。
縄文時代の遺跡から色々な種類のドングリが出土したことで、縄文の人々はそれらを食料としていたことが判明したという話題をかなり以前に目にしたことがありましたが、現代のあわただしい世の中にあって、縄文時代さながらに手間暇を惜しまず、スローフードを絵にかいたような食べ物が受け継がれていたとは意外でした。
食料を狩猟と採集に頼っていた縄文時代にはアラカシのドングリも貴重な食料だったと思われますが、大量に食べるとなると渋さに耐えきれなくなることは容易に想像でき、縄文人も何とか食べられるように試行錯誤を重ねて水にさらす方法にを見つけたのではないかと思います。
鴨の仲間が水に潜り、川底からドングリを拾って来て食べる光景を映像で見たことがありますが、縄文の人たちも同じように川底に落ちていたドングリを拾って食べてみたところ、渋みが幾分抜けて食べやすくなっていたことに気づき、水にさらす方法を習得したのかもしれません。
アラカシに似た樹木にシラカシがあります。アラカシは西日本に多く、シラカシは東日本に多いようです。九州の田舎で樫の木と呼んでいたのは、分布から考えるとおそらくアラカシだった思われます。
正月に五穀豊穣を願って木の枝の先々に色の付いた餅を刺し、家の中などに飾る風習が国内のあちこちにあるようですが、田舎では新暦の2月に多く巡ってくる旧正月の行事として行われ、利用する木は子供の背丈ほどのこの樫の木を用いていました。
気になるかし豆腐の味ですが、製造期間は12月中旬から3月中旬までと安芸市の情報にありますので、この時期に訪れれば味わうことができるようです。
縄文人の暮らしに思いを致しながら味わえば、当時の人々の食に触れ合えるような気がします。
2020年 01月 19日
2020年 01月 11日
菅さん提供
マンリョウ (万両 常緑小低木 サクラソウ科)
花期7~8月 果期11~2月
花も木の実も目にすることが少ない冬場に、濃い緑の葉と真っ赤な実を付けたマンリョウはいやが上にも目を引きます。ことに、雪で一面銀世界の中で出会ったときは、緑と赤のコントラストがひときわ鮮やかに映えて美しさが際立ちます。
マンリョウは林縁の半日蔭のような所を好み、成長しても1mほどにしかならないため、和風庭園の下層をカバーする下草として昔から重宝されてきました。
樹齢を重ねても枝が暴れることもなくコンパクトな樹形を保ち、上品な印象が漂うことも和風庭園にはなくてはならない下草として扱われてきたものと思います。
小低木でありながら庭の主木の松や梅と比肩する存在感を感じたのは、有名な日本庭園を散策していて庭石の傍らに赤い実を付けたマンリョウが目に留まったときでした。そのように感じたのは、周りの景色と木姿の美しさが見事に調和していたからでしょう。日本庭園ならではの静謐な空間の中に身を置いていたことで、この木の美しさを改めて知ることができたとも言えます。
マンリョウには万両の漢字が充てられ お金にまつわる縁起の良い木として、昔から同じような赤い実を付けるセンリョウ科のセンリョウと並んで正月飾りに使われてきました。また、センリョウよりも多くの実を付けるところからマンリョウの名になったとも言われています。
白っぽい実を付けるシロミノマンリョウと言う品種も有り、正月にはマンリョウと共に紅白取り合わせて用いられることもあるようです。
直径8mmほどの白い花も可愛いものですが、朝に咲いて夕方にはしぼむ一日花のため、実と
異なり一度に多くの花を長期間に渡って楽しめないのは少し残念なところです。
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