






















会場受付






コナラ(小楢 落葉高木 ブナ科)
花期4~5月 果期9~10月
2月の初めにコナラの幼木に季節外れの紅葉を見ることができました。前年の年の瀬にはこの木の葉は緑色を保った状態だったので、なんと季節を読み違えたコナラだろうと思いながらも、年が明ければ早晩褐色の葉になるだろうと予想していました。
本来ならこの時期のコナラは冬枯れの木立の中でクヌギと共に黄褐色の葉を寒風にさらしています。コナラは紅葉の時期にもそのような褐色の葉のイメージがあることと、葉が色づいても渋みの感じられる控えめな色で目立たないため、紅葉といってもピンとこないかもしれませんが、秋から冬にかけては黄色からオレンジ、赤と変化してやがて黄褐色と多彩な色合いを見せてくれます。赤くなった葉の色は日本の伝統色で植
物のアカネとムラサキとで染めた暗めの赤の深緋(こきひ、こきあけとも)という印象です。
コナラやクヌギが冬になってもなかなか落葉しないのは、もとは南方系の常緑樹で葉を落とす必要が無かったものが北の方に進出してきたため、葉を切り落とす離層が発達していないことによるという話をどこかで聞いた記憶がありますが、それにしても2月の厳寒期に紅葉が見られるとは思ってもいませんでした。
この近くでは前年の春にコナラの実生を観察できました。意外だったのはドングリの発根はお尻側からと思い込んでいたのが先の尖った所から発根すること、それとアサガオの子葉のように地上では展開しないということ。つまり、ドングリは地表に横たわった状態で根や芽に栄養を供給しているわけです。光合成をする必要のないほどドングリには栄養が詰まっているんですね。
花期には黄緑色の雄花が多数垂れ下がって見えますが、雌花は数が少なく小さくて目立ちません。
花の時期には若木にリンゴのような丸くて小さい赤いものができることがあります。外見も内側もリンゴに似て実際食べた人がいるというのも頷けます。
この正体は極小な蜂の幼虫の作る食料兼住み家で、その名もナラメリンゴフシという虫瘤です。
マタタビの虫瘤は薬効が知られていてマタタビ酒にしたり塩漬けなどで食べられもしますが、見た目はコナラの方が断然美味しく見えます。コナラの虫瘤にも薬効が有れば、見た目の悪さでマタタビの方は敬遠する人でもコナラの方なら食べようという人がいるかもしれません。果たしてコナラの虫瘤にも薬効は有るのでしょうか。











