カテゴリ:今月の樹木( 114 )

今月の樹木(2018年08月)

菅さん提供


ウリノキ(瓜の木 落葉低木 ウリノキ科)           

                                     花期6月 果期89

 8月半ば、避暑を兼ねて山道を散策していると、近くにウリノキが可愛らしい姿の花を咲かせていたことを思い出し、立ち寄ってみることにしました。

 ウリノキの名の由来は、葉の形がウリの葉に似ていることからそのように呼ばれています。ウリとは無関係のウリハダカエデの葉ともそっくりです。

 ウリノキは滅多に見かけない樹木で花にはなかなか出会えませんでした。この山道は良く利用する山道ですが、ここにあるウリノキはずっとウリハダカエデと思い込んでいましたので花にめぐり会える機会を長い間 のがしていたことになります。


 数年前に偶然ここで花を初めて目にしたときは、花に出会えたうれしさと同時に我が身の観察眼の無さを思い知ることとなりました。(かえで)(たぐい)の葉はどれも対生でウリノキは互生という明確な違いがありますので、ちょっと注意してみれば違いは一目瞭然なのですが、遠目でしか見ていなかったということで自分を納得させました。

 ウリノキの葉は大きなものでは差し渡し20cmにもなりますが、実の大きさは1cmにも満たない大きさで、キュウリやメロンのようなウリの仲間の実が大きくなるのとは対照的な大きさです。

 この時期の果実はすでに濃紺色になって完熟しているようでした。多くの図鑑などには果実は藍色に熟すと記載されています。確かに結実直後の緑色から鮮やかな藍色に変化していく時期はありますが、濃紺色の果実は柿に例えれば熟柿(じゅくし)のような状態ということになるのでしょうか。


 仙台の七夕飾りに見られるような形の花は一度見たら忘れられない花です。愛くるしい花と美しい藍色に熟す果実は庭木にすれば身近で楽しめそうです。

 花びらの先端がクルクルと巻き上がったこのユニークな花の形はウリノキだけの専売特許ではありません。ウリノキとは縁もゆかりもない樹木で赤くて美味しい実を付けるツツジ科のアクシバも同じような形の花を付けます。

 アクシバが乾燥気味の所でも見られるのに対し、ウリノキは沢沿いなどのやや湿気の多い薄暗い場所で見られます。そのため、大きな葉の陰になる花や果実の撮影には一苦労です。


 さて、ウリノキの実もアクシバのように食べられるのかと言えばこちらは食べられる代物ではありません。ウリノキの名前につられて一度口にしたことがありますが、当たり前と言えば当たり前の話で、ウリノキとは名ばかりのメロンなどとは程遠いとても不味(まず)いものでした。


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by str1685 | 2018-08-18 20:50 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2018年07)

菅さん提供

ニガ キ (苦木 落葉高木 雌雄異株 ニガキ科)           

花期45月 果期8

 道すがらに立ち寄った大阪北部にある野間の大ケヤキ。その大きさは日本で五本の指に入ることで有名ですが、毎年アオバズクが営巣することでも知られています。

 立ち寄ったついでに珍しいアオバズクの写真の一枚でも撮ろうかと梢を見渡しましたが中々視界に鳥の姿が入って来ず、場所を変えたところでニガキの木が目に入りました。

 葉の間からは、赤い果実と赤い果柄、さらによく見ると果柄が出ている果序軸までもが赤くなっているのが確認できました。


 日本の伝統色で黒みを帯びた深く濃い藍色の勝色(かちいろ)にニガキの実が熟すのは8月に入ってからになりますが、熟す前の段階でこんなにも赤い状態の実を見たのは初めてのことなので、アオバズクはさておいてニガキの撮影に専念しました。


 日照条件の良い所に生育するニガキの実が赤くなるのか、あるいは日照条件は関係がないのかは観察を重ねないことには断定できませんが因果関係はありそうな気がします。

 ニガキは漢字では苦木で、文字通り葉も材も実も苦いことが知られていますが、どの程度苦いのか実際に葉を口にしたことがあります。噛んですぐには苦味は感じられませんでしたが、少し間を置いてから強烈な苦みが襲ってきてすぐに吐き出しましたが、唾を何度吐き出してもいつまでも苦みが消えず、正に苦い思いをしたことがあります。

 この苦み成分は健医薬として市販のいくつかの胃薬に使われているようですが、樹皮から抽出した成分はかつて殺虫剤としても使われていたそうですから素人療法で使うのは控えた方が賢明です。

 テレビのドキュメンタリー番組で体調を崩した野生のチンパンジーが薬草をかじる場面を見たことが有りますが、日本の猿も苦いニガキをあえて食べることがあったとして、その光景を見た人がニガキに薬効が有ると気が付いたのかもしれません。


 薬用以外の利用法としては材の鮮やかな黄色を活かした寄木細工が有名ですが、材にも薬効が有りそうなのでどこぞで材を手に入れてコップを作り、冷たいビールを注げば薬用成分が溶け出して夏バテで弱った胃に良さそうです。苦いビールが一段と苦くなりそうですが、そこのところは苦み走ったいい男になったつもりで我慢することにいたしましょう。

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by str1685 | 2018-07-23 15:00 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2018年06月)

菅さん提供


ガン ピ (雁皮 落葉低木 ジンチョウゲ科)           

                                       花期56月 果期10


 明るく開けた山道の両側に花を付けたガンピが、まるで植えられたかのように並んでいました。日当たりの良い痩せ地を好むこの樹木の性質が良く分かる光景です。

 ガンピは枝垂れた枝という枝の先々に小さなラッパ状の花をまとまって付けます。花の一つひとつは1cmにも満たない長さで花全体の重さはわずかだと思いますが、それでも大きく枝が枝垂れるのは、表皮の下の内皮の部分の厚さに比べて木質部が細いことによるものと思われます。

 内皮は強靭で、楊枝ほどの細い枝でも手で引きちぎるのは容易ではありません。この内皮から作られてきたものが雁皮紙といわれる和紙で、繊維が短く細かい特徴を活かして透き通るような強くて薄い紙を漉くことができるそうです。

 奈良時代には紙を漉く技術も発達して、染料で染めた紙が当時既にあったことや、平安時代には和紙で作った着物も作られ始めたというから驚きです。

 江戸時代初期に伊達政宗がローマに派遣した支倉常長の一行には、鼻をかんで捨てた和紙が余りにも薄くて上質なため、民衆が争って拾ったという逸話が残っています。日本の製紙技術の高さが分かるエピソードです。

 和紙の主な原料はガンピの他にコウゾやミツマタが有りますが、雁皮紙はコウゾの持つ強さとミツマタの持つ光沢感、風合いを兼ねそなえていて、細い文字でも書きやすいことから平安期の女性たちに愛用されたそうです。

 平安の女性たちは、染色された色の異なる薄い紙を重ね合わせ、上の紙を通して下の紙の色がおぼろげに透けて見える二つの色が綾なす色の変化の妙味を(たの)しみつつ(ふみ)をしたためたということです。しかも色の組み合わせに名前をつけ、季節に合わせてそれを選んだということですから、昔の人の紙への深い情愛はプリンターから排出される印刷物しか手に取ることのない現代人から見れば夢想だにできないことですが、言霊(ことだま)という言葉が示すように言葉には霊力が宿ると信じられていた上代には、言葉を書き(しる)す紙にも人々は特別な思いを持っていたと考えてもおかしくはないように思います。

 手漉き和紙の技術の継承者がなく、和紙生産の存続が危ぶまれているという話を聞いて久しくなります。栽培が難しいと言われるガンピそのものも準絶滅危惧種に指定されている所もあるようです。

 可愛い花を付けるガンピも、世界に誇れる和紙も、ともに身近に触れられる存在であ

り続けることを祈ります。

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by str1685 | 2018-06-18 20:48 | 今月の樹木 | Comments(0)

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ナワシロイチゴ(苗代苺 落葉小低木 バラ科)           

                                            花期5月 果期6月

 田舎で日向(ひなた)(いちご)と呼んでいたナワシロイチゴは日の良く当たる土手や石垣に多く見られる苺で、白花がほとんどのキイチゴ属の中では珍しく(べに)(むらさき)の花を付けます。

 漢字で書く苗代苺の苗代とは、稲の種もみを撒き、田植えができる程度まで苗を育てる一定の区画のことで、苗代を作る頃に果実が熟してくることがこの名前の由来になっているようです。


 名前の由来とは裏腹に、苗代を作る時期にはまだ花の段階の地域が多いようで、実際に名前の由来は苗代の時期に花が咲くためとした記述を見ることもあります。

 名前が付けられた当時は稲の改良や稲作の技術も進んでいなかったでしょうから果実の熟す6月頃に苗代を作っていたとも考えられます。

 この花には一風変わった特徴があります。花が開いた様子を見たいと出向いたのですが、萼はこれ以上は反り返られないというほど反り返っていても花は一向に開かず、そのうちに花弁が落ちてしまっているということが何度もあり、まだ蕾が残っているのでチャンスはあると出直してみるといつの間にか果実だけになっているということもありました。

 実はこの花は開くことなく受粉を終え、受粉後の花は花びらを落として萼が閉じ、果実が熟してくると再び萼が開くという特徴を持った花だったのです。つまり、花びらは開かずにずっと裏側だけを見せていて、蕾と思っていたのは受粉後の花の姿だったわけです。萼が閉じるのは果実を守るためと思われますが、花が開かないのは萼の開閉にエネルギーを回して花弁を開くことは諦めた結果なのでしょうか。

 花を良く見てみると、萼は白い包み紙をそっと開いた形で、花は紅紫のしっとりとした茶巾(ちゃきん)(しぼ)りの上品な和菓子のようにも見えます。

 昔の田植えは豊穣を神様に祈って行われ、今でも各地に神事として残っていて、着飾っ早乙女(さおとめ)が田植えをする光景が田植えの季節になると毎年報道されます。早乙女苺はナワシロイチゴの別名で、三葉苺、五月(さつき)苺などとも言われます。

 花びらの表を見せない控えめなこの花には、菅笠(すげがさ)(あみ)(がさ)(まぶか)にかぶった(あで)やかな早乙女の姿が思い浮かぶ早乙女苺の名が一番相応しいように思います。


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by str1685 | 2018-05-20 06:46 | 今月の樹木 | Comments(0)

菅さん提供


イヌシデ(犬四手 落葉高木 カバノキ科)          

                                    花期45月  果期10
 シデの仲間を初めて見たのは樹木に興味を持ち始めた十数年前の季節は夏の終わりころのこと。
小さな葉の形をした
()(ほう)と一体になった種が幾重にも連なって枝にぶら下がった状態になっている樹木を見た時でした。

 このような形の種を付ける樹木にチドリノキという(かえで)の仲間があります。そのうえチドリノキの葉は楓の仲間でありながらイロハモミジのような切れ込みが全く無く、一見するとイヌシデのような葉の形をしていますので、当時生半可にチドリノキの存在を知っていたなら、このシデの仲間をチドリノキと誤認していたと思います。 

 春先に咲くイヌシデの花はいかにも風媒花といった感じの黄褐色の雄花がいくつも垂れ下がり、その先に緑色の苞を持った小さい目立たない雌花が付きます。樹皮には(かい)白色(はくしょく)の縦に白っぽい縞模様が入り、クマシデやアカシデなどシデ類の中では最も()(はだ)の美しい樹木で、公園樹等に用いられてもいるようです。

 シデ類のシデの由来は、()(すい)が玉串や注連縄(しめなわ)などにつけて垂らす稲妻型の四手(しで)(または(しで)垂)に似ていることによると言われています。
 植物名に付く“イヌ”は、本物に比べて劣っているとか役に立たないという意味合いで使われますが、イヌシデの場合はイヌシデより美観や用途で格別優れているシデの仲間は思い当たらないので気になっていました。
 シデの仲間は良く似ていて同定しづらく、その中でイヌシデは若枝や葉に毛が多いことが同定のポイントにもなっていて、毛の多さからイヌと付いたと考えられないこともないですが、そうするとネコや他の動物でなくイヌとなったのには何か訳がありそうです。調べてみると関係ありそうなウラジロカンバという樹木が見つかりました。

 ウラジロカンバはカバノキ科でも属が異なる樹木で、葉裏には白くて長い(ふく)(もう)があってネコシデとも呼ばれているようです。実際にはどうかわかりませんが、ネコシデと区別するためにイヌシデとなったのではないかと思い至りました。

 ネコ派の小生としてはネコシデの長い伏毛とやらをなでたりさすったりしてみたいところですが、居住地からは遠い奈良県の大峰山脈以東でしか見られないというのが少々残念なところではあります。

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by str1685 | 2018-04-26 17:31 | 今月の樹木 | Comments(0)

菅さん提供

クロモジ(黒文字 落葉低木 雌雄異株 クスノキ科)          

                                   花期34月  果期910

 3月に見られるクスノキ科の花はクロモジ以外にはダンコウバイ、アブラチャンがあります。どれも小さな花が(ひと)(かたまり)になって咲きますがダンコウバイやアブラチャンは開花の後に新葉が見られるのに対し、クロモジは開花とほぼ同時に新葉が展開します。新葉は枝先に集まって付き、その形は羽根突き遊びの羽根のようにも見え、その基部に付く半透明の小さな花の集まりと相まって、枝の先々には自然が作る造形美の趣といった感が有ります。


 樹皮や葉には清涼感のある芳香が有り、抽出される精油(エッセンシャルオイル)には様々な薬理作用が有るといわれています。以前にこの香りを嗅いだとき、鼻の通りが良くなったように感じたのは血行促進作用があるといわれるその効用だったのでしょうか。熟すと黒くなる

実にも同じような香りが有るようです。
 香りのよいクロモジは高級楊枝として菓子楊枝や爪楊枝に利用されていて、戴き物の高価な和菓子に切り分け用に表皮の付いたクロモジの楊枝が付いていたことがありましたが、お茶の世界ではこの楊枝のことを楊枝とは言わずに黒文字と言うのだそうです。

 クロモジの名は、若い枝の暗緑色の()(はだ)現れる黒班を墨で描いた文字に見立てて名づけられたというのが通説です。名の由来を知っていても黒班は単なるシミにしか思えませんでしたが、色々な樹木の名の由来を知るにつけ、この説もまんざらでもないように思えてきました。


 木の葉を(いかだに見立て、その葉脈上に付く花を筏に乗る人に見立てたハナイカダの例や、ヤマボウシの名は、花の中央の丸い()穂と(すい)周りの白い(ほう)白い袈裟を(けさ)頭に巻いた山法師(山寺の僧侶)に例えたという昔の人の想像力や発想力の豊かさからすれば、クロモジの黒班も文字に見えたというのも納得できます。

 ところがクロモジの由来に最近別の説を目にしました。それは、昔の貴人に仕えていた女房(高位の女官)の間で使われていた物事を婉曲的に表現する女房言葉の一つに、かもじ(髪)、しゃもじ(杓子)のように語尾にもじを付けるもじ言葉というのがあり、元は黒楊枝と言っていた楊枝を奥ゆかしく黒もじと呼んだというものです。


 昔の宮中の女性たちは、万葉仮名を崩して平仮名の元となったというくずし字で和歌や恋文をしたためていたそうですが、女房の間では楊枝を単に黒もじと呼んだだけでなく、表皮に残る文様を文字通り文字に見立てて優雅に言葉遊びもしていたのでは、と考えてみるのも面白いですね。ひょっとして、文字に見立てたという説の始まりも、本を正せば女房たちだったのかもしれません。そんな思いで改めてクロモジを見てみると、シミに見えていたものが万葉仮名のくずし字に見えてきました。


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by str1685 | 2018-03-06 08:36 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2018年02月)

菅さん提供


コナラ(小楢 落葉高木 ブナ科)          

                                     花期45月  果期910

 2月の初めにコナラの幼木に季節外れの紅葉を見ることができました。前年の年の瀬にはこの木の葉は緑色を保った状態だったので、なんと季節を読み違えたコナラだろうと思いながらも、年が明ければ早晩褐色の葉になるだろうと予想していました。

 本来ならこの時期のコナラは冬枯れの木立(こだち)の中でクヌギと共に黄褐色の葉を寒風にさらしています。コナラは紅葉の時期にもそのような褐色の葉のイメージがあることと、葉が色づいても渋みの感じられる控えめな色で目立たないため、紅葉といってもピンとこないかもしれませんが、秋から冬にかけては黄色からオレンジ、赤と変化してやがて黄褐色と多彩な色合いを見せてくれます。赤くなった葉の色は日本の伝統色で植

物のアカネとムラサキとで染めた暗めの赤の(ふか)()(こきひ、こきあけとも)という印象です。


 コナラやクヌギが冬になってもなかなか落葉しないのは、もとは南方系の常緑樹で葉を落とす必要が無かったものが北の方に進出してきたため、葉を切り落とす離層が発達していないことによるという話をどこかで聞いた記憶がありますが、それにしても2月の厳寒期に紅葉が見られるとは思ってもいませんでした。

 この近くでは前年の春にコナラの実生を観察できました。意外だったのはドングリの発根はお尻側からと思い込んでいたのが先の尖った所から発根すること、それとアサガオの子葉のように地上では展開しないということ。つまり、ドングリは地表に横たわった状態で根や芽に栄養を供給しているわけです。光合成をする必要のないほどドングリには栄養が詰まっているんですね。


 花期には黄緑色の雄花が多数垂れ下がって見えますが、雌花は数が少なく小さくて目立ちません。
 花の時期には若木にリンゴのような丸くて小さい赤いものができることがあります。外見も内側もリン
ゴに似て実際食べた人がいるというのも(うなづ)けます。

 この正体は極小な蜂の幼虫の作る食料兼住み家で、その名もナラメリンゴフシという(むし)(こぶ)です。
 マタタビの虫瘤は薬効が知られていてマタタビ酒にしたり塩漬けなどで食べられもしますが、見た目は
コナラの方が断然美味しく見えます。コナラの虫瘤にも薬効が有れば、見た目の悪さでマタタビの方は敬遠する人でもコナラの方なら食べようという人がいるかもしれません。果たしてコナラの虫瘤にも薬効は有るのでしょうか。


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by str1685 | 2018-02-07 14:56 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2018年01月)

菅さん提供


イヌザンショウ(犬山椒 雌雄異株 落葉低木 ミカン科)  
                         花期78月  果期1011

 これは珊瑚だ、と思わず口をついて出そうになったのはイヌザンショウの赤くなった花柄(かへい)を初めて目にしたときのこと。珊瑚といっても浅い海で珊瑚礁を成す珊瑚ではなく、ネックレスや指輪などに加工され、彫り物や置物にも利用される深海の宝石珊瑚のことで、イヌザンショウの赤くなった花柄の色や形からは宝石珊瑚の形容しか思い浮かびません。


 花の時期には緑だった花柄の色は花が終わってしばらくすると色づき始め、秋の深まりと共に鮮烈な赤に変化していきますが、初冬には赤黒くなって鮮やかさは次第に失われていきます。
 これが本物の宝石珊瑚であれば、赤黒いものは
()(あか)珊瑚(さんご)と呼ばれる最高級品とされていますので、イヌザンショウを珊瑚と思って見る分には冬に入ってからでも観賞する価値は十分あると言えそうです。

 葉や実にサンショウのような香りがしないため、サンショウに比べて利用価値の無いという意味のイヌという接頭語が付けられたイヌザンショウ。そんなイヌザンショウでも花柄の美しさはサンショウの比ではありません。葉と果実に含まれる成分は薬用として実用的な面も持ち合わせています。

 珊瑚は世界の各地で、開運、子宝に恵まれるお守り、魔除けなどのアクセサリーとしても扱われて
いるようです。

 花言葉と同じように宝石にも宝石言葉(石言葉とも)がありますが、珊瑚の宝石言葉は長寿や幸福という縁起の良い言葉が与えられています。正月の縁起物の七福神の乗った宝船にも金銀財宝と共に宝石珊瑚が描かれていますね。
 年の初めの運試しに山に入り、まだ色の残るイヌザンショウの宝石珊瑚に出会えたとしたら、その年はきっと良い1年になると思います。


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by str1685 | 2018-01-08 08:31 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2017年12月)

菅さん提供


カキ(柿 落葉高木 カキ科)          

                            花期56月  果期1011

 柿といえば日本の秋を代表する果物の一つで、かつては山里の民家の庭には必ずといっていいほど植えられていました。甘いものが少なかった時代には手間のかからない貴重な食べ物だったと思います。

 晩秋ともなると、枝に付いたままの朱色の柿の実はいよいよ赤みを増して熟柿(じゅくし)となってきます。渋柿も熟柿になれば渋が抜けて甘くなり、ぷよぷよとゼリー状になって今にもはちきれそうな熟柿は昔の子供のこの季節のご馳走でした。

深い落葉を踏みしめ、沢沿いの細い山道を歩いていて1本の柿の老木と出会ったのもそんな季節でした。ゴツゴツした幹の瘤、節くれだった太い枝が風雪に耐えてきた年月を感じさせます。

そこからさらに歩を進めるとすぐに朽ち果てた炭焼き窯が目に入りました。窯のドーム状の天井は崩れ落ち、焚口の石積みがかろうじて炭焼き窯であったことを(うかが)わせます。

 山歩きをしているとこういった炭焼き窯の跡にしばしば遭遇することがあります。草生(くさむ)してはいるが原形をとどめているもの、わずかにすり鉢状のくぼみだけを残しているものなど様々ですが、そこにはかつて山に密着して生活していた人の匂いのようなものが感じられ、言うなれば、城跡などの遺跡に接した際にそこはかとなく湧き起こる感慨にも似た思いで出会うごとに写真に収めています。

 炭焼きは原木を切り出した後に長さを揃える玉切り、窯詰の作業と続きますが、山の急斜面を重い原木を運んだり、窯の中では中腰の姿勢を強いられたりと大変な仕事です。今のように便利な道具が無かった時代には木の一本を切るにもかなりの労力を要したでしょうから昔は今以上に重労働だったはず。火を入れてからは一昼夜は炊き続ける必要があることから、人里から離れた山では泊まり込んでの炭焼きもあったそうです。

 ここで炭焼きをしていた人が熟柿を口にすることがあったとすれば、それは窯詰が終わって焚口から火を入れ、過酷な労働の一日が終わろうとする頃、窯に十分に火が回って一息ついた辺りだったのではないでしょうか。

 漆黒の闇の中、焚口の炎に照らし出された透き通るような熟柿にかぶりつく瞬間は至福の(とき)だったに違いありません。
 帰路をたどりながら、そんな情景を思い描いた晩秋の山歩きの一日でした。


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by str1685 | 2017-12-12 08:05 | 今月の樹木 | Comments(0)

菅さん提供

ゴンズイ(権萃 落葉小高木 ミツバウツギ科)          

                            花期56月  果期1011
ゴンズイと聞くと、ひれに毒があり、釣り人の間では外道扱いされるドジョウに似た魚を思い浮かべる人も多いと思います。樹木にもゴンズイの名を持つものがあり、この名は材がもろくて匂いがあるため利用価値がなく、同じように利用価値のない魚のゴンズイとの共通点から樹木名もゴンズイになったと広く言われていますが、熊野権現の守札(まもりふだ)を挟む杖にこの木を使ったことから、権現杖がなまってこの名が付いたという説もあります。


 節分に焼いたイワシの匂いで鬼を追い払うというような、匂いで邪気を払うという信仰は古くからあったようなので、材に匂いのあるゴンズイは権現杖には打って付けだったのかもしれません。魚のゴンズイは毒のひれの部分を除けば食べることができ、樹木のゴンズイも実の美しさから公園などに植栽されていますので、共に利用価値がないわけではありません。


ゴンズイの魅力は、薄緑色の小さな花とは打って変わって秋に姿を見せる鮮やかな赤い実です。実の形から狐の茶袋の異名をもつゴンズイの実は袋果(たいか)と呼ばれるもので、熟して裂開すると赤い果皮の内側にある黒い種子が目を引きます。このようなコントラストの強い色を配色して目立たせることは、種子を散布してもらう鳥が見つけやすくなる効果があり、これは二色効果といわれ他の植物にも見られます。


 アフリカ原産でミッキーマウスの木というのがあるようですが、ゴンズイも見ようによっては実の形がミッキーマウスに見えることがあります。

 秋にゴンズイに出会ったなら、どこかにミッキーマウスが隠れていないか探してみるのも楽しいと思いますよ。

余談

ミッキーマウスの誕生日って?

日本においては11月18日は「ミッキー&ミニーの誕生日」と設定されています。そしてその11月18日はディズニーモバイルサイトでも「誕生日」と定められています。


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by str1685 | 2017-11-17 07:33 | 今月の樹木 | Comments(0)