人気ブログランキング |

今月の樹木 2020年2月(アラカシ)



アラカシ (粗樫 常緑高木 ブナ科) 

                               花期45月 果期10~12月                      

 ドングリのことについていろいろ調べていたところ、高知県の安芸市、煮ても焼いても食べられそうにもないアラカシのドングリを使った料理が、かし豆腐という名の伝統的な郷土料理として伝わっているという情報に行き当たりました。

 渋みのあるアラカシのドングリが食べられるようになるまでには、何日も水にさらすなどの手間をかける必要があるそうですが、このドングリをかじった経験のある者から言えば、それもむべなるかなと納得。


 縄文時代の遺跡から色々な種類のドングリが出土したことで、縄文の人々はそれらを食料としていたことが判明したという話題をかなり以前に目にしたことがありましたが、現代のあわただしい世の中にあって、縄文時代さながらに手間暇を惜しまず、スローフードを絵にかいたような食べ物が受け継がれていたとは意外でした。


 食料を狩猟と採集に頼っていた縄文時代にはアラカシのドングリも貴重な食料だったと思われますが、大量に食べるとなると渋さに耐えきれなくなることは容易に想像でき、縄文人も何とか食べられるように試行錯誤を重ねて水にさらす方法にを見つけたのではないかと思います。


 鴨の仲間が水に潜り、川底からドングリを拾って来て食べる光景を映像で見たことがありますが、縄文の人たちも同じように川底に落ちていたドングリを拾って食べてみたところ、渋みが幾分抜けて食べやすくなっていたことに気づき、水にさらす方法を習得したのかもしれません。


 アラカシに似た樹木にシラカシがあります。アラカシは西日本に多く、シラカシは東日本に多いようです。九州の田舎で樫の木と呼んでいたのは、分布から考えるとおそらくアラカシだった思われます。


 正月に五穀豊穣を願って木の枝の先々に色の付いた餅を刺し、家の中などに飾る風習が国内のあちこちにあるようですが、田舎では新暦の2月に多く巡ってくる旧正月の行事として行われ、利用する木は子供の背丈ほどのこの樫の木を用いていました。

 気になるかし豆腐の味ですが、製造期間は12月中旬から3月中旬までと安芸市の情報にありますので、この時期に訪れれば味わうことができるようです。

 縄文人の暮らしに思いを致しながら味わえば、当時の人々の食に触れ合えるような気がします。

今月の樹木 2020年2月(アラカシ)_d0024426_17002032.jpg



by str1685 | 2020-02-01 17:00 | 今月の樹木 | Comments(0)

里山の整備・管理活動を行い、自然に親しみながら会員の親睦と健康維持などを目的としています。


by str1685
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31