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今月の樹木(2019年12月)

菅さん提供


ネズミサシ (鼠刺し 常緑針葉高木 雌雄異株 ヒノキ科) 

                                                  花期4月 果期1011月

 4月に花を付けていたネズミサシのその後の様子を 見てみたくなり、通いなれた山道に分け入りました。頃は12月初旬の晩秋とあって紅葉のピークは過ぎていましたが、黄やオレンジの葉を残した幾本かのガンピの先に、枝先に美しい黒紫色に色づいた実を付けたネズミサシと出会えました。

 ネズミサシと言うちょっと物騒な名前は、鋭くとがった葉の付いた枝を鼠の通り道などに置いて鼠除けに使ったことが由来となったようで、略してネズとも呼ばれています。


 ヒノキやスギの実は熟すと木質化して茶色くなり種子は風散布されますが、ネズミサシは柔らかく肉質に熟した実を鳥が丸呑みして種子が運ばれる鳥散布型です。

 岩場や尾根などの痩せ地に好んで生える性質のため、成長が遅く材が固い木として知られていて、実の成熟には1年から2年かかると言われています。
 1cmにも満たない小さい実ですが、葡萄を思わせる実がどんな味がするのか興味を持ち、チクチクする葉を除けながら枝先に手を伸ばして一つ摘まんで口に入れてみると(やに)の香りが先に立ち、次にほんのり甘さが感じられ、最後にちょっと苦みを感じました。
 ジントニックをはじめ、多くのカクテルに用いられるお酒のジンは、セイヨウネズと呼ばれる木の実が使われているとのこと。ならば、日本産のネズの実を果実酒に仕立てれば手っ取り早く和風ジンになるのではと思い立ち、数十粒をポケットにしまい込みました。
 この木には淡紅褐色の雌花と松かさ状の雄花が咲く頃に面白いものが見られます。ネズミサシの木のことを良く知らなかった十数年前のこと、この木を観察していたところ、枝先に花とも実とも判別しがたい緑色のものが目に付いたので撮影し、帰って詳しく調べてみるとそれは花でも実でもなく、ネズミサシメチョウチンフシと言うタマバエの一種が作る虫瘤でした。ネット上にも騙されてしまったという書き込みが散見される何とも紛らわしい人騒がせな虫瘤です。

 さて、持ち帰ったネズミサシの実ですが、ジンも古酒ともなれば風味が増すそうですので、実の成熟と同じように和風ジンもじっくり熟成させてから味わうことにいたしましょう。

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by str1685 | 2019-12-20 22:23 | 今月の樹木 | Comments(0)

里山の整備・管理活動を行い、自然に親しみながら会員の親睦と健康維持などを目的としています。


by str1685
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