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今月の樹木 (2019年4月)エドヒガン

菅さん提供

エドヒガン(江戸彼岸 落葉高木 バラ科)          

                                    花期4月  果期67

「出会いの(たえ)(ざくら)」と名付けられたエドヒガンが妙見山の中腹で毎年美しい花を咲かせます。妙見の森ケーブルの山上駅を降り、坂を登った所のふれあい広場からエドヒガンの群生する谷を見下ろし、その中で一番大きな桜が出会いの妙桜です。


 この谷の桜は川西市の天然記念物に指定されていて、出会いの妙桜の愛称は指定の翌年に、川西里山クラブと能勢電鉄株式会社主催で行った公募の中から選ばれて名づけられたもので、妙見山に咲く妙なる美しい桜の(もと)で多くの人に素敵な出会いがありますように、との願いが込められています。


 10種あるといわれる桜の原種の一つのエドヒガンの花は桜の中では小さめですが、葉が出る前に咲くのが大きな特徴です。日本全国に最も多く植えられている園芸品種のソメイヨシノの片親としても知られていて、この特徴はソメイヨシノにも受け継がれています。


 花は基部の(がく)(とう)と呼ばれる部分が丸く膨らんでいて、これにより他の種類とは一目で区別することができます。

 一般に桜の樹皮には横に伸びた皮目(ひもく)といわれる盛り上がった無数の筋が見られます。エドヒガンにも若い木には目が見られますが、ある程度の樹齢になると皮目が消えて縦に幾筋も溝ができます。花の無い時期にはこの縦筋がエドヒガンを同定する目安になります。

 エドヒガンは寿命の長いことでも知られていて、樹齢2000年と言われる山梨県の山高神代桜(やまたかじんだいさくら)や岐阜県にある樹齢1500年と言われる根尾谷淡墨桜(ねおだにうすずみざくら)はエドヒガンです。その他の地域の長寿の桜のほとんどもエドヒガンですが、ソメイヨシノにはこの長寿の特徴は受け継がれておらず、寿命は60年から80年程度と言われています。

 ソメイヨシノの花色や開花時期に個体差はほとんどありませんが、エドヒガンの花は白や紅色の濃いものから薄いもの、開花時期や葉の形などが多様で、ケーブル中腹山手側の紅色がひときわ鮮やかなエドヒガンは(さくら)(くれない)と呼ばれています。

 桜の季節には街中を離れて自然の中の出会いの妙桜の(もと)で花見をすれば、素敵な出会いがあるかもしれません。

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右の一段と濃いピンク色の桜が《桜紅》です。
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by str1685 | 2019-04-15 08:57 | 今月の樹木

里山の整備・管理活動を行い、自然に親しみながら会員の親睦と健康維持などを目的としています。


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