今月の樹木(2018年07)

菅さん提供

ニガ キ (苦木 落葉高木 雌雄異株 ニガキ科)           

花期45月 果期8

 道すがらに立ち寄った大阪北部にある野間の大ケヤキ。その大きさは日本で五本の指に入ることで有名ですが、毎年アオバズクが営巣することでも知られています。

 立ち寄ったついでに珍しいアオバズクの写真の一枚でも撮ろうかと梢を見渡しましたが中々視界に鳥の姿が入って来ず、場所を変えたところでニガキの木が目に入りました。

 葉の間からは、赤い果実と赤い果柄、さらによく見ると果柄が出ている果序軸までもが赤くなっているのが確認できました。


 日本の伝統色で黒みを帯びた深く濃い藍色の勝色(かちいろ)にニガキの実が熟すのは8月に入ってからになりますが、熟す前の段階でこんなにも赤い状態の実を見たのは初めてのことなので、アオバズクはさておいてニガキの撮影に専念しました。


 日照条件の良い所に生育するニガキの実が赤くなるのか、あるいは日照条件は関係がないのかは観察を重ねないことには断定できませんが因果関係はありそうな気がします。

 ニガキは漢字では苦木で、文字通り葉も材も実も苦いことが知られていますが、どの程度苦いのか実際に葉を口にしたことがあります。噛んですぐには苦味は感じられませんでしたが、少し間を置いてから強烈な苦みが襲ってきてすぐに吐き出しましたが、唾を何度吐き出してもいつまでも苦みが消えず、正に苦い思いをしたことがあります。

 この苦み成分は健医薬として市販のいくつかの胃薬に使われているようですが、樹皮から抽出した成分はかつて殺虫剤としても使われていたそうですから素人療法で使うのは控えた方が賢明です。

 テレビのドキュメンタリー番組で体調を崩した野生のチンパンジーが薬草をかじる場面を見たことが有りますが、日本の猿も苦いニガキをあえて食べることがあったとして、その光景を見た人がニガキに薬効が有ると気が付いたのかもしれません。


 薬用以外の利用法としては材の鮮やかな黄色を活かした寄木細工が有名ですが、材にも薬効が有りそうなのでどこぞで材を手に入れてコップを作り、冷たいビールを注げば薬用成分が溶け出して夏バテで弱った胃に良さそうです。苦いビールが一段と苦くなりそうですが、そこのところは苦み走ったいい男になったつもりで我慢することにいたしましょう。

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by str1685 | 2018-07-23 15:00 | 今月の樹木 | Comments(0)