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今月の樹木(2017年02月)

菅さん提供


イヌビワ(犬琵琶 落葉低木 雌雄異株 クワ科)          

       花期45月  果期910

 立春の声を聞いても時折ちらちら雪が舞う里山の二月。葉を落とした木々の枝先はいかにも寒々とした感じですが、良く見るとそこには春を間近にして寒さに耐え忍ぶ新芽が幾つも付いているのを見ることができます。

 そんな中にビワの実の形に似た小さな実を付けている樹木がイヌビワです。
 イヌビワという名前は、形がビワに似ているがビワに劣るものということから付いたそうです。
 イヌビワはイチジク(漢字で無花果)の仲間ですので外から花を見ることはできません。


 イヌビワが種子を作るのは秋ですが、冬になっても実を付けているのは、イヌビワの子孫繁栄のためになくてはならない共存相手のイヌビワコバチというゴマ粒ほどの大きさの蜂をこの中で越冬させるためで、イヌビワコバチの言わばゆりかごなのです。
 冬に実を付けているのは主に雄株で、花期になるとこの中から花粉を付けたイヌビワコバチの雌が飛び立ちます。雄株の実にたどり着いた雌は実の先端の穴から潜り込んで目出度く産卵できますが、運悪く雌株の中に潜り込んだ雌は産卵管の長さと中の雌花の形の関係から産卵できず、外にも出られず花粉を媒介するだけに終わってしまい中で死んでしまいます。外に出られないのは先端の狭い穴の構造によるもので、花期には潜り込むときに取れた翅を実の先端部で観察することもできます。


 世界の一つひとつのイチジクの種類にはそれぞれに対応する一つひとつの小蜂の種類がいることが知られています。つまり一対一の共生関係にあって、どちらかが絶滅すればもう片方も絶滅してしまうという関係にあるわけです。この辺りの研究は多くの人の手でなされていますので詳しいことはそちらに譲るとして食べる話にいたしましょう。
 イヌビワの雄株の実はカスカスで食べられませんが、雌株の方はジューシーで実から透明の蜜が垂れるころには甘くなって食べられます。すごく美味しいというほどではありませんが、これがジャムにすると絶品でクラッカーとよく合います。もちろんこのジャムは、実の中に居たイヌビワコバチも食べることになるので、動物性タンパク質も採れる優れもののジャムなのです。


 なお、市販のイチジクは蜂には頼らずに育つイチジクだそうですので、食べても動物性タンパク質の摂取は期待できません。


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by str1685 | 2017-02-12 20:29 | 今月の樹木 | Comments(0)

里山の整備・管理活動を行い、自然に親しみながら会員の親睦と健康維持などを目的としています。


by str1685
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