今月の草本(2016年05月)

菅さん提供

ヒトリシズカ(一人静 センリョウ科)

                         花期45

 山道で名も知らない綺麗な草花に出会った時はちょっとした興奮を覚えることがありますが、名を知っていてもなかなか出会えなかったヒトリシズカに出会えた時は感動もひとしおでした。


 ヒトリシズカの名に接したのは、中学の国語の教科書にあった随筆の中でフタリシズカの名とともに目にしたのが最初で、そのどことなく風雅な味わいのある言葉の響きはずっと頭の片隅にありました。

 この二つの花の名は静御前に由来するといわれています。そのような記述が教科書の中あったかどうかは記憶にありませんが、その由来と共に、静御前が源義経に寵愛されたこと、義経が兄頼朝に疎まれて悲運の最期を遂げるのと同じように薄幸な運命をたどったことなどを知ったのは長じて後のことでした。

 ヒトリシズカの花を見てこの地味な花から受ける印象と、静御前の白拍子としての優雅な舞の印象とがかけ離れているためか、名前負けしているという人もいるようです。確かに華やかさとは縁遠い花ですが、華やかさだけが花の魅力とは限りません。

 浅学の身ではこの花の魅力を充分に語ることはできませんが、樹陰に咲く花の傍らで時代に翻弄された静御前に一人思いを巡らす時、この草花にヒトリシズカの名を付した人の想いが伝わってくるように思えるのです。

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by str1685 | 2016-05-10 21:59 | 今月の草本 | Comments(0)