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里山林の若返りが求められている

里山林の若返りが求められている
 日本が高度成長期(60年前)以降日常的に使っていた薪や柴が電気ガスに置き換わり、里山の広葉樹林は利用しなくなりました。放置された里山では樹木は大径木化が進み、また林床は薄暗くなってきています。このような里山を何も手を入れずこのまま放置し続けるといろいろな問題が生じて来ます。

今ナラ枯れの被害が拡大しています。 
 ナラ枯とはカシノナガキクイムシ(カシナガ)が媒介するナラ菌により、ナラ等が集団的に枯れる伝染病的被害で、特に大径木が枯死します。また、生物多様性の視点 からは、明るく若い林内を生息場所とする動植物が激減 しています。
 里山林の広葉樹の多くは、大径化す ると萌芽能力が低下するため、森林としての持続性も低 下しています。

 私たちの活動地で初めてナラ枯れを発見したのは2011年の夏でした。その折は「かしながホイホイ」を感染した木に巻きつけて処理しました。(2012年5月26日(土) 臨時 (カシナガ対策))
 その後カシナガの被害が増大する事もなく、特にカシナガ対策はしていませんでした。
 コナラの木々は青々と元気そうに見えており、安心していました。しかし、コナラの大木をよく見ると葉っぱは緑で元気そうですが、根本にフラスが出てカシナガに感染している模様です。

 今後の対策として、2013年から大木になっているコナラ林の皆伐(2013年度と2014年度各625㎡。2015年度2,500㎡を予定)は極僅かですが、毎年皆伐してその跡地にクヌギの植樹を実施し、森林の若返りを図っています。皆伐で伐採されたコナラは薪に利用し、薪をピザ店にもお願いして購入をして頂いております。また、2014年10月から新たにピザ店とも契約が出来てこの循環が軌道に乗ってきました。
 ここで大事な事は、秋から冬に伐採したコナラはカシナガの幼虫がいるかもしてません。翌年の夏以降まで十分乾燥させてからの持ち出しを徹底しています。

 この作業にヒントを得たのは
 小面積皆伐と薪による資源利用を組み合わせることで、高齢化が進んで様々な問題を抱えるようになった里山林を若返らせ、地域社会での生活に新たな価値を付け加える実践的な里山林管理手法です。

薪を作ってナラ枯れを防ぐ
 ナラ枯れ の拡大、生物多様性の劣化、次世代の樹木が育たない、といった様々な問題を解決するためには、今まで実践してきた間伐ではなく、小面積の皆伐を導入することによって、若 い林がモザイク状に混じる里山林へと誘導していく必要があります。5年間にわたり地域社 会と研究者との協働で実践してきた社会実験の成果をもとに、小面積皆伐と薪による資源利 用を組み合わせて、里山林の若返りとともに地域社会での生活に新たな価値を付け加える里 山林管理手法を下記研究成果報告書から学び実勢しようとしています。

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 私たちが消化できる量を見極め計画を組んで推し進めましょう!




by str1685 | 2015-11-06 16:58 | 一般市民へのアピール

里山の整備・管理活動を行い、自然に親しみながら会員の親睦と健康維持などを目的としています。


by str1685