エドヒガン育成保護
2013年 12月 11日
エドヒガン育成状況
(はじめに)
私たちの「川西里山クラブ」はこの妙見山で活動を始めたのが2007年4月からです。兵庫県の絶滅危惧種にエドヒガンがあり、また妙見山ではそのエドヒガンが確認されています。そこで何とかこのエドヒガンの命を引き継いで後世に残したいと2008年6月に実を採取して育ててきました。また、2009年6月21日に桜谷を調査し21本のエドヒガンが群生していることを確認しました。成木は確認できましたが、若木の育成が確認できませんでした。幼木は僅か芽を出しているのが4本確認しました。
この状況で問題視したのが、存続する木が無い事です。
2007年
桜谷に放置されたエドヒガンを確認。
エドヒガンに悪影響を与えそうな雑木の伐採及び下刈りを実施し、日当たりを良くしました。
2008年6月
エドヒガン種取り祭開催。
この年から毎年市民に呼びかけ、毎年種取り祭を実施し実生からの育て方を広めています。
’08年6月15日(日)活動報告エドヒガンの実を300粒ほど採取(桜谷のエドヒガン1号)来年種まきが出来るように処理をして、保存する。
2009年06月
エドヒガン自生調査(調査日2009年6月21日県立 人と自然の博物館(石田、黒田、小舘研究員の協力で実施)
調査項目 標高、地形、傾斜、土壌、樹高、胸高周囲、樹木の状態など
胸高周囲 2m以上 1本(259㎝) 1m以上15本、 1m以下5本、 幼木 4本
以上を確認他幼木4本を確認しました。
しかし、幼木が育っていない胸高周囲の一番小さい木は47㎝ですが、元木枯れ 萌芽です。また2番目に小さい71㎝は枯れかけです。
この事から幼木が育っていないと判断。
2010年3月25日に樹齢調査を実施。
樹木を切らずに年輪幅や年輪数を調べる機材が成長錘です。パイプの先がドリルのようになっている物を差し込んでいきます。中央が空洞になっているため、ねじ込んだ時にその空洞に入ってきた部分(コア)それを抜き取り調査するという仕組みです。
調査木は胸高周囲(198cm)から胸高直径(63.1cm)を割り出し、そこから取り出したコアで樹齢を48歳と判明しました。52歳(1.3mまでに育つ年数を2~4年の中を採って3歳と調査日は昨年ですから1歳を加算)と決定しました。これにより1年に育つ直径を計算し、一番大きい樹木に当てはめ計算の結果67歳が一番年寄りと決めました。
この調査は誤差を多く含まれるために、あまり当てに出来ませんが、検討する材料にはなるものと思われます。
樹齢年代別本数
10代 1本(15歳)
20代 9本
30代 10本
40代 8本
50代 1本
60代 1本(67歳)胸高周囲(259㎝)
(平均年齢35.27歳)
2011年3月20日この地で採取し、実生から育てたエドヒガンを植樹
今日30本植樹することにより、15年間の空白で止まり後世に引き継いでいけるものと確信します。今後5年置きにエドヒガンの調査を実施しながら後継木の確認が出来ない場合植樹を実施したいと思います。(それ以上に環境を整えエドヒガンが更新できるように導くのが先決ですね)
(採種から発芽育成まで)
6月上旬採種木を設定してその木の下にブルーシートを敷く。
採種した実は果肉を取って種にして、鉢に砂地の上に布を引き種をのせて、また布を被せ上に鹿沼土で被います。鹿沼土が白く乾いてくると散水して湿らせ管理。翌年2月の種まきまで、保管します。
(布は麻布が良いと思われる。また、鹿沼土は乾燥状態が判るためです。鉢の置き場所は日の当らない北側が良い。)
この状態で翌年2月中ごろまで自然の状態に置き、2月下旬には苗床に一粒づつ浅く植えます。
2008年6月にエドヒガンの種を採取し、その種を布で包み鹿沼土の中で、2009年2月末まで自然の状態で保存。
2009年3月5日に種植実施(2月半ば頃に実施した方が良いと思われる。)理由:3月中ごろには発芽をしたので、1ヶ月前には種上をした方が良いかな。
2009年3月14日の発芽状態
エドヒガンの経過
3月5日種植え⇒3月14日子葉が頭を持ち上る
⇒3月20日本葉がでる。
4月8日の様子(下記画像)
2009年5月6日畑に植える。⇒
プランターから1本ずつポットに植えて畑にポットのまま植える。(山に移植する時掘り出すのが容易にできるように処置した。)
現在順調に生育しています。
(約200本程度は生育していると思います。)
2011年にこの苗木を桜谷へ植樹したいと考えています。
2011年3月20日植樹
種を採取ご3年目育成期間満2年で約1mに育ったエドヒガンを今日は植樹です。(30本植え付け。50年後には枝が半径約5m程度に伸ばすので、10m間隔に植樹したいのですが、なかなか難しい面もあります。)
鹿対策でサプリネット半径80cmでガードをした。
サプリネットの助成を瀬戸内オリーブ基金から受けました。
2011年9月
川西市の天然記念物として認定