エドヒガンの小径(こみち)めぐり
2011年 04月 10日
参加者 52名(当クラブから2名、能勢電から5名、一般参加者45名)
開催の内容
エドヒガンの小径(こみち)めぐり 開催の内容
兵庫県で絶滅が危惧されている貴重な野生種“エドヒガン”の小径を散策しながら、エドヒガンの特徴を案内紹介。参加者には桜茶を進呈!!
■開催日 4月10日(日)
■時間 10時15分~、11時15分~、12時15分~、13時15分~(各回所要時間35分)
■集合場所 妙見の水広場
■参加料 無料(事前申込不要)
今日のケーブル両脇のソメイヨシノです。エドヒガンはソメイヨシノより少し開花が早いと聞いています。この咲く具合からすると・・・。お目当てのエドヒガンが既に満開?。と思える咲き具合です。
受付風景。
今日の概略説明が終わり、いよいよ出発です。
この谷の一番大きなエドヒガンです。これで3分咲きです。満開までには1週間程度必要な感じでした。
第4号エドヒガンを下から撮りました。満開まで少し時間がかかりそうです。(現在3分咲き程度)
この観察会で一番に質問される事は、おおよそ予測できますが、これは難問です。それは、この谷の一番大きなこのエドヒガンは樹齢何年ですか?です。今日もその質問が出ました。
この質問を何とか解決できないか、昨年3月にエドヒガンの調査木を決めて、調査しました。調査方法は、樹木を切らずに年輪幅や年輪数を調べる機材が成長錘です。パイプの先がドリルのようになっている物を差し込んでいきます。中央が空洞になっているため、ねじ込んだ時にその空洞に入ってきた部分(コア)それを抜き取り年輪を調査するという仕組みです。成長錘の先はドリルのようにネジが切っています。先端のドリル部が入ってしまうと簡単に入っていきます。
実測個体の胸囲周囲(198cm)から胸高直径(63cm)を導き、直径を樹齢(48年)で割り、1年あたりの胸高直径の平均増加量を算出した。 それを他の個体の胸高直径にかけるという方法です。
そこに発芽後の樹齢はこの数値に3年を加算し、調査日が昨年ですから1年加算。合計4年を加算した数値が今の樹齢になるとはじき出した結果です。しかし、平均増加量は個体や環境によって異なることが普通ですので、この方法ではかなりの誤差が生じることになります(例えば、萌芽幹の年齢はみな同じと考えられますが、幹によって成長速度が異なるために直径に差が生じ、その結果、推定年齢は違う値を示すことになります)。ですから、推定値には大きな誤差があるとお考え下さい。
以上の条件を当てはめ計算の結果、4号エドヒガンは67歳となりました。
また、別の判断基準として考えたのが、各地で天然記念物となっているエドヒガンの周囲と年齢でどれほどの差が出るか計算しました。
有名な山梨県の神代桜(じんだいざくら)推定樹齢は2000年、目通り幹周10mほどです。これを計算して当てはめると4号エドヒガンは518歳となりました。
次に推定何千年はあまりにも推測が過ぎると思い、割合大きくて樹齢の若いエドヒガンを探しました。奥十曽の国有林のエドヒガン。現地案内板には、「この江戸彼岸は、従来日本一とされていた、山梨県の神代桜を凌ぐ巨木で、南限地帯にあたり、学術的に貴重なため、昭和61年4月、周囲5.6ヘクタールが学術参考保護林に指定された。・・・」とあります。
樹齢約600年、胸高周囲10.8m、でです。
これを同じく計算しますと、4号エドヒガンは144歳となりました。
結論
このように千差万別の答えを導き出しましたが、真実はどれが正しいか不明です。しかし何か答えを出さないと言うことになれば、144歳と決定したいと思います。
計算の根拠は鹿児島県の国有林、奥十曽(おくじっそう)のエドヒガンを計算基礎としたいと思います。理由は現代も元気で生き生きと成長している。それに引き換え神代桜は、何年も成長するほどの元気はなさそうである。
おまけ
ササユリの発芽?を炭窯跡のベンチで発見しました。大事に育てましょう!
最近、ササユリが減少しているとよく言われる。確かに咲いているのを見ることは少くなった。ササユリの減少は、里山の崩壊が進んでいるとの意見もある。そのように考えても良いのだろうか?
里山は薪炭林として、定期的に伐採が行われ柴木を刈り取る作業がササユリの育成に都合が良かったと思われます。
ササユリは同じ場所で咲き続けると、いつの間にか消えてなくなります。(土壌が合わなくなるのか?病気になるのか?)
ササユリは種で増えます。種から芽生えた根生葉は、最初1~3枚のを出すだけで、茎がありません。この時期から数年後の花の咲く時期までは、しっかり地表まで日光が届く状態が継続しないと成長して花を咲かすことが出来ません。
現在の里山はどの様になっているか生物多様性を守るためにどうすれば良いのか?皆で考えましょう。