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カテゴリ:今月の樹木( 100 )

菅さん提供


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シロミノヤブムラサキは世界で2例しか報告例が無く、非常に貴重な樹木です。

当ブログではその貴重性から公表は永らく控えてきました。

地元では行政にこの樹木の保護対策を求めてきましたが、行政側からは保護対策については

見合わせる旨の回答しか得られませんでした。

そのため、現在は地元の方々がこの樹木を仕事の合間を縫って見守りと管理をされています。

また、一部公表もされている事から今回「今月の樹木」に取り上げることにいたしました。

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シロミノヤブムラサキ (白実の薮紫 落葉低木 シソ科)           

                         花期6月  果期11

 ムラサキシキブやその仲間のコムラサキは高貴な印象のある紫色の実をつけることで庭木としても人気が有りますが、シロシキブやシロミノコムラサキのように白い実をつけるものも何種か知られています。

 シロミノヤブムラサキもムラサキシキブの仲間ですが、その存在はあまり知られていません。その訳は、最初の1本目の発見が90年代初めとごく最近でその後2例目の発見まで永らく情報が無かったことが挙げられると思います。


 シロミノヤブムラサキは名前の通り秋には真珠のような白い実をつけますが、6月に咲く花の方も純白でヤブムラサキの紅紫色の花に比べると質素な印象です。この樹木はヤブムラサキと同様に葉や若い枝、萼に柔らかい毛が密生していて、葉に触るとビロードのような感触が伝わって来ます。若い枝はヤブムラサキの紫色と異なり緑色をしています。


 ヤブムラサキはムラサキシキブと違い、花も実も葉の下に隠れるようにつけるので花の時期も実の時期もあまり目立たない樹木です。つける実はムラサキシキブほど多くなく、その上に毛むくじゃらな萼が目立ちます。そんなところから観賞価値の高いムラサキシキブやコムラサキに比べて見劣りするという意味合いを持つ藪という名前が付けられたようです。

 不名誉な名を付けられた樹木ですが、金を取り込む植物として知られており、金鉱山周辺に多く見られるといわれています。

 マイナーなイメージのヤブムラサキが山あいで密かに白い花、白い実をつけているのに出会えたなら、金鉱脈を探し当てた時の山師のような感動が味わえるかもしれません。

それは同時に、世界で数例目のシロミノヤブムラサキ発見という快挙にも繋がってくる

と思います。


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果実
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by str1685 | 2017-06-14 22:11 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2017年05月)

菅さん提供


ゴマギ(胡麻木 落葉小高木 レンプクソウ科)          

                         花期5月~6月  果期89

 いくつもの白い花が行く先々で爽やかな風を受けて梢の先でそよいでいます。五月晴れの下、山道を歩いているとそんな光景に出会えます。

 それらの花はガマズミやカマツカ、カナメモチ、ヤブデマリと様々ですが、どれも小さな花が寄せ集まって咲き、遠目には一つに見える花たちです。


 そんな花の中にガマズミに良く似たゴマギの花が有ります。この木の特徴は何と言っても名に有る通りのゴマの香りです。葉にはかなりの匂いがあって、千切ったり揉んだりしなくても葉の表面を指先で軽くこすって嗅ぐだけでゴマギの名に偽りがないことが分かります。


 柔らかい若葉の頃であれば調理してゴマの香りを楽しめそうですが、食用になるという話は寡聞にして聞いたことはありません。

 植物の葉の匂いは一つには害虫を忌避する効果も有るといわれていますが、葉には少なからず虫も付くので、ゴマギの強烈な匂いはゴマ好きの虫を呼び寄せる逆効果になっているということはないのでしょうか。


 一方、花の香りはというと甘い香りがするという話ですが、咲き始めの頃も散り際の頃もゴマの香りを嗅いだ経験しかありません。天候などの条件次第では甘い香りがするのかもしれません。

 果期は同科のガマズミより一月ほど早く、同じく同科のヤブデマリとほぼ同時期です。ガマズミの実は完熟しても赤いままですが、ゴマギはヤブデマリと同様に赤い色から完熟状態になってくると黒くなります。花柄が赤くなる点もヤブデマリに似ています。

 ガマズミと同じ科ならば実は食べられるのではないかと口にしてみたことがありますが、ガマズミのような酸味が有るわけでもなく、またゴマの味や香りがするわけでもなく、かなり不味かったような記憶が有ります。


 ゴマのような葉の香りといい、美味しそうな実といい、いかにも食べられそうですが口にはしない方が賢明なようです。


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by str1685 | 2017-05-22 20:03 | 今月の樹木 | Comments(0)

菅さん提供


里山モチツツジ(黐躑躅 半常緑低木 ツツジ科)          

       花期4月~5月  果期810

 早春の山を彩るコバノミツバツツジが咲きそろう頃モチツツジが咲きだします。

 モチツツジの花はコバノミツバツツジの花よりやや大きく花弁の赤い斑点が良く目立ちます。花が開いた後に葉が展開するコバノミツバツツジと違い、花と葉が同時に見られるのもモチツツジの特徴です。
 公園などで見かける植栽されたツツジ類は手入れが行き届き、鮮やかな絨毯を敷き詰めたような景観は見事ですが、山の緑の中に点在するツツジの花も見逃せません。植栽のツツジは種を問わずほとんどが常緑樹のため紅葉は楽しめませんが落葉性のツツジは花も紅葉も楽しめます。


 秋に美しく紅葉するモチツツジの葉は春に出現した葉で紅葉後は落葉しますが、花と同時に見られる細めの葉は前年の夏に形成され、秋には色の変化はあっても落葉せずに枝先に残り、一冬越して春に落葉するということです。

そのためモチツツジは半常緑樹とされています。


 モチツツジのモチは鳥や昆虫を捕まえるのに使う主にモチノキ科の樹皮から採れる粘着物質の「鳥黐(とりもち)」に由来するもので、新芽や花の蕚などがとりもちのように粘るためこの名前で呼ばれていますが、食べる餅に由来するという説も有るようです。


 モチツツジはこの粘着物質で花を昆虫などからの食害から守っているといわれていますが、これにくっついた虫を食べにくる虫もいるそうですから、捕食者にとってはモチツツジのネバネバは願ってもない自然のとりもちということになりますね。

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by str1685 | 2017-04-18 07:58 | 今月の樹木 | Comments(0)

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ユキヤナギ(雪柳 落葉低木 バラ科)          

                         花期3月~4月  果期56

 厳しかった冬の寒さも和らぎ、雪の話題も遠のく三月の半ばころ、雪が降り積もったように白い小花を咲かせ始める樹木が有ります。樹木の名はその名もユキヤナギ。


 公園などで植栽されている姿を間近で見ると、地際から細い枝がいく本も立ち上がって途中で枝垂れ、いかにも柳といった風情の樹木ですが、花の一つひとつは梅の花に似ていてバラ科ということに納得します。
 見た目にはきゃしゃなイメージのユキヤナギですが、自生地となると川沿いの岩場で、増水時には激流が岩を食み、普通の植物ではとても根を張ることができないようなところに生育しています。そのようなところから昔は岩柳とも呼ばれていたようです。
 ユキヤナギの花言葉には、「愛らしさ」「静かな思い」「自由」「気まま」等があり、前者二つは小さくしとやかな白い花の印象から、あとの二つは四方八方に奔放に枝を広げる姿に因んだものかと思われます。

 一方「殊勝」というちょっと堅苦しい花言葉も与えられています。こちらは白くて清楚な花のイメージからとか、花が散った後でも一面が白い花びらで美しいため等といわれていますが今一つピンときません。


 そこで自分なりにこう考えてみました。岩場に育つユキヤナギの姿形からは殊更に激流に抗うという態様は見て取れず、柳に風のごとく流れを受け流し、逆境に耐えながらも何事もなかったかのように毎年枝いっぱいに可愛い花を付ける、そんなけなげさからこの花言葉は来たと解釈すれば、ユキヤナギにはピッタリなように思えますがいかがでしょう。


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by str1685 | 2017-03-20 18:48 | 今月の樹木 | Comments(0)

菅さん提供


イヌビワ(犬琵琶 落葉低木 雌雄異株 クワ科)          

       花期45月  果期910

 立春の声を聞いても時折ちらちら雪が舞う里山の二月。葉を落とした木々の枝先はいかにも寒々とした感じですが、良く見るとそこには春を間近にして寒さに耐え忍ぶ新芽が幾つも付いているのを見ることができます。

 そんな中にビワの実の形に似た小さな実を付けている樹木がイヌビワです。
 イヌビワという名前は、形がビワに似ているがビワに劣るものということから付いたそうです。
 イヌビワはイチジク(漢字で無花果)の仲間ですので外から花を見ることはできません。


 イヌビワが種子を作るのは秋ですが、冬になっても実を付けているのは、イヌビワの子孫繁栄のためになくてはならない共存相手のイヌビワコバチというゴマ粒ほどの大きさの蜂をこの中で越冬させるためで、イヌビワコバチの言わばゆりかごなのです。
 冬に実を付けているのは主に雄株で、花期になるとこの中から花粉を付けたイヌビワコバチの雌が飛び立ちます。雄株の実にたどり着いた雌は実の先端の穴から潜り込んで目出度く産卵できますが、運悪く雌株の中に潜り込んだ雌は産卵管の長さと中の雌花の形の関係から産卵できず、外にも出られず花粉を媒介するだけに終わってしまい中で死んでしまいます。外に出られないのは先端の狭い穴の構造によるもので、花期には潜り込むときに取れた翅を実の先端部で観察することもできます。


 世界の一つひとつのイチジクの種類にはそれぞれに対応する一つひとつの小蜂の種類がいることが知られています。つまり一対一の共生関係にあって、どちらかが絶滅すればもう片方も絶滅してしまうという関係にあるわけです。この辺りの研究は多くの人の手でなされていますので詳しいことはそちらに譲るとして食べる話にいたしましょう。
 イヌビワの雄株の実はカスカスで食べられませんが、雌株の方はジューシーで実から透明の蜜が垂れるころには甘くなって食べられます。すごく美味しいというほどではありませんが、これがジャムにすると絶品でクラッカーとよく合います。もちろんこのジャムは、実の中に居たイヌビワコバチも食べることになるので、動物性タンパク質も採れる優れもののジャムなのです。


 なお、市販のイチジクは蜂には頼らずに育つイチジクだそうですので、食べても動物性タンパク質の摂取は期待できません。


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by str1685 | 2017-02-12 20:29 | 今月の樹木 | Comments(0)

菅さん提供

ツクバネガシ(衝羽根樫 常緑高木 ブナ科)          
                         花期5月  果期10月

 正月の女の子の遊びといえば昔は羽子板で羽根を打ち合う羽根つきが相場と決まっていましたが、その羽根の形に良く似た葉を付けるブナ科の木がツクバネガシです。

 枝の先端に葉がまとまって付いている様子は確かに羽根を連想させますが、勢いのある若い枝では葉は互生の形で付いており、年数が経つにつれ枝の元に近い方の葉から次第に落ちて来て枝先に残った葉が羽根の形に見えるようです。したがって、羽根の形になっているということだけを手掛かりにツクバネガシを探してもなかなかこの木と特定することは困難です。大木であれば枝の成長が止まった木の元の方の枝を見れば比較的羽根の形の葉を見つけることができますが、ツクバネガシとアカガシの雑種といわれているオオツクバネガシも葉の特徴などが似ていますので同定作業には葉の特徴を良くつかんでおくことが大事です。

 ツクバネガシのどんぐりが成熟するのは、他のブナ科のいくつかの木でも見られる、いわゆる2年成といわれる成長の仕方で花が咲いたその翌年になります。
 どんぐりは先端の出っ張りの所が段上になっていて、殻斗(かくと=お尻の方のお椀状の物)にはギザギザに切れ込んだ環状の線が重なっているのが観察できます。

 遊び道具として子供には人気のあるどんぐりですが、世の中には色々などんぐりを食べてみたいという人もいるようで、その人達の話をまとめるとツクバネガシのどんぐりは多くのどんぐりの中でもアクが強い方でアク抜きには手間と時間がかかるとか。

 昔は草木灰から灰汁(読みはアク)を採って様々な用途に使いましたが、ツクバネガシから作る灰汁が他の木の物より上質だったのか、この木を灰木と呼ぶ地方があるようです。もしそうだとしたらこの木のどんぐりのアクが強いのもさもありなんという気がします。

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by str1685 | 2017-01-14 20:42 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2016年12月)

菅さん提供

アキグミ(秋茱萸 落葉低木 グミ科)          
                         花期4~5月  果期10~11月

 ナワシログミの花が咲く10~11月の頃にアキグミの実は真っ赤に熟します。やや渋みのあるこの実は動物には不人気なのか1月になっても目にすることがあります。
 今の若い人にとってはグミといえば弾力があるお菓子のグミだと思いますが、かつては山遊びの子供たちにとっては少々の渋みが有っても格好のおやつでした。

 実の長さが2㎝以上もある大きなビックリグミ(別名ダイオウグミ)しか知らない人が7~8㎜程のアキグミの実を見たならあまりの小ささにこちらにもビックリするかもしれません。
 ナワシログミやビックリグミの実は俵型をしていますがアキグミの実は真ん丸です。実は小さいですが、真っ赤な実が枝いっぱいに鈴なりになった状態は壮観です。
 霜の降りるころになれば渋みが和らいで生食できますが鈴なりの木を見つけたら大量に収穫できますので生食よりもジャムにするのが一番。ただし、アキグミにはなり年と裏年が顕著なようで、去年鈴なりになっていた木が今年は全くなっていないということがありますので、毎年収穫したいのであれば何本かの木を確保しておく必要があります。

 4月頃から咲く花には花弁が無く萼が花びらのように変化したものだそうで、咲き始めは純白ですが次第に黄色みを帯びてきます。

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by str1685 | 2016-12-08 23:11 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2016年11月)

菅さん提供

エビヅル(蝦蔓 落葉蔓性木本 雌雄異株 ブドウ科)
                           花期6~8月  果期10~11月

 野にある葡萄はノブドウで山にある葡萄はヤマブドウ、と言ってしまえば簡単ですが、山に有っても分類上ではヤマブドウとそれに良く似た他の葡萄とは区別されています。
ヤマブドウが1㎝近い実をつけるのに対し、見た目で良く似ているエビヅルやサンカクヅル、アマヅルの実は5~6mm程しかなく、分布上もヤマブドウは本州以西ではごく限られたところにしか無く、九州には無いようですが他の3種は九州でも見られるようです。
 古くは種を問わず葡萄の実で染めた色を葡萄色(えびいろ)といい、ブドウの仲間を葡萄蔓(エビカズラ)といったそうです。後にヤマブドウと他を分けていうようになったのは、実の大きさの違いから分ける必要があったためではないかと考えます。

 子供の頃学校の帰りにエビヅルの実を見つけると喜んで食べていた九州の田舎ではエビヅルをガネブと呼んでいました。ガネブも葡萄類の古い呼び名で九州では今でも広く使われているようです。
 野生の葡萄に関する記述は古事記や枕草子にもあるということからこの植物は昔の人には身近な存在だったように思われます。
 枕草子には、車輪に押しつぶされたヨモギの香が牛車の中に漂ってくるのを「をかし」(趣があるの意)と表現したくだりが有りますが、清少納言が牛車の上からたわわに実った葡萄に手を伸ばして口にしたことが有ったとしてもおかしくはないでしょうね。あるいは牛車が進んで採り損ね「いと口惜しけれ」と悔しがったことがあったかも。

 エビヅルの花はとても小さく雌雄を見分けにくいですが、雄花は雄しべが長いことで見分けられます。
 なお、ブドウ科でも属の異なるノブドウは食べられませんので念のため。


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by str1685 | 2016-11-08 22:16 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2016年10月)

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ウメモドキ(梅擬 落葉低木 雌雄異株 モチノキ科)          
                            花期6月  果期9~10月
 モチノキ科の多くは秋に赤い実が付くことから庭木や公園木として利用されることの多い樹木ですが、対照的に花の方は白や緑の目立たない小さなものがほとんどです。
 ウメモドキは小さいながらもピンクの花を付け、しかも低木なのでそれなりに花も観賞で来ます。

 雌雄異株で一つの枝に沢山の花が付く雄株の方が花の見応えはありますが、実を鑑賞するのであれば花がまばらに付く感じの雌株が必要です。雄花は黄色のオシベが目立ち、雌花は緑のメシベが大きいのが特徴です。
 盆栽にも人気のある樹種のようです。ウメモドキを盆栽に仕立てたなら、掌に載るほどの空間に緑の葉と赤い実の鮮やかなコントラストが楽しめそうですが、盆栽界では落葉後の実を付けた姿も正月や冬場の飾りとして重宝される樹種の一つになっているようです。
 ウメモドキの名は葉の形が梅に似ていることによるものですが、樹形もどことなく梅に似ている感じがしないでもありません。

 名前の良く似た樹木にクロウメモドキとツルウメモドキというのがあり、ウメモドキの黒い実のなる品種やつるになる品種なのかと勘違いされそうですが、両者ともそれぞれ全く別の科の樹木でウメモドキとは似て非なるものです。
 ウメモドキの実は熟して間もない11月半ば頃には鳥に食べられてしまうのかほとんど目にしなくなります。

 野鳥にとってはこの赤い実は秋の美味しいご馳走のようです。

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by str1685 | 2016-10-22 07:45 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2016年09月)

菅さん提供

ヌルデ(白膠木 落葉小高木 雌雄異株 ウルシ科)
              花期8~9月  果期10~11月

 日本の山で見られるウルシの仲間のヤマウルシやヤマハゼの花期は初夏ですがヌルデの花期は秋口になります。秋が深まるころこれらの実は熟し、茶色っぽくなった状態で枝先に鈴なりになった光景が見られます。
 ヌルデの実は受粉して熟すまでの期間が短いためでしょうか、急いで実をつけるかのように一つの軸に受粉前と思われる花が残っているにもかかわらず赤い実がいくつも付いているのをよく見かけます。
 赤い実は半月ほどで緑色に変わり、そのころになると実の周りに塩のような白っぽいものが付いた状態になります。この物質は舐めてみると実際に塩味がしますが、これを昔は塩の代わりにした地方もあったそうです。
 ヌルデの葉の一部分がこぶのように緑や赤色に膨らんでいることがあります。これを実と勘違いして迂闊に割ると、うじゃうじゃとアブラムシが這いずり回っているおぞましい光景を目にすることになるやも知れません。とはいっても昔の人はこの虫こぶからお歯黒の元になるタンニンを手に入れていたということですからその発想力には感心します。
 お歯黒の風習はなくなりましたがヌルデの虫こぶから採れるタンニンは今も薬用などに利用されているそうです。
 マンゴー、カシューナッツ、ピスタチオはいずれもウルシ科の植物です。ということで、塩味の効いたこれらの味を期待してヌルデの緑の実をかじったところ期待外れでした。実が若かったのかもしれません。完熟を待って再挑戦してみます。

実と花
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雄花
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虫こぶ
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by str1685 | 2016-09-19 21:49 | 今月の樹木 | Comments(0)