カテゴリ:今月の樹木( 104 )

今月の樹木(2017年10月)

菅さん提供

クリ(栗 落葉高木 ブナ科)           

                     花期 67月 果期9月~10

 若いころに女性の好物は、いも、たこ、なんきんと聞いたことがありますが、当節はいも、くり、なんきんともいうようです。

 ある調査では秋の味覚なる食べ物の中では、クリがナシやブドウを差し置いて男女を問わず食べたいものの上位にランクされたそうです。

 近年の遺跡の調査では縄文の昔からクリが栽培されていたという報告もありますので、クリ好きな国民性は縄文人に刻み込まれたクリ好きのDNAが現代まで受けつがれているのかもしれません。

 旅行会社のクリ拾いのバスツアーは秋のツアーの定番の一つのようで、クリご飯に焼きグリ茹でグリ、さらには和洋を問わずスイーツにも使われるクリは日本の秋にはなくてはならない味覚の一つですね。

 クリは食用以外にも重宝されてきました。クリの材は耐久性と耐水性に富むことから家屋の土台など湿気の多いところに昔から使われ、古い鉄道マニアなら枕木に最も適した木材としてかつてはクリが多用されていたことをご存知の方も多いことでしょう。

 山に自生しているヤマグリまたはシバグリと呼ばれているものは栽培種の原種といわれ、かなり小粒ですが味は栽培種に引けを取りません。

 子供のころ学校帰りにヤマグリを山道で拾うと外の固い鬼皮を歯でむき、渋皮も渋みを我慢して前歯でこそぎ落とし、それから口に放り込んでカリコリッと栗の風味を味わったものでした。

囲炉裏で焼いたクリも香ばしくておいしいものでしたが、囲炉裏の(はた)で北原白秋の詩という一節焼きグリ茹でグリやいゆえよを歌のように口ずさんでいたのは兄弟姉妹の誰だったか、亡くなった母だったか・・・。栗を見ると目に浮かんでくるのは、囲炉裏を囲む家族団欒の懐かしい思い出です。


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追記
雄花と雌花の両方が判る画像を追加しました。(栗の花が咲くと独特の匂いがして、昆虫も沢山集まります。栗の受粉は風媒花でなく、虫媒花です。)また、自家不結実性でため1本の木では、結実は難しく異品種も混植することが必要です。
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by str1685 | 2017-10-12 09:00 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2017年09月)

菅さん提供


マルバハギ(丸葉萩 落葉低木 マメ科)          

                         花期89月  果期1011

 秋を代表する花はコスモスやダリアという人もいれば、山野草好きの人ならキク科の花やタデ科の花を思い浮かべる人もいることでしょう。

 萩を最初に思い浮かべた人は、万葉集に収められている山上憶良(やまのうえのおくら)が秋の野に咲く花を詠んだ和歌が元になっている「秋の七草」に通じている人でしょうか。

 ちなみに和歌には萩の花を筆頭に、ススキ、クズ、カワラナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウの七つの花が詠まれています。

 春の七草は食べるもので秋の七草は愛でるものとよく言われますが、秋の七草は愛でるだけではなく昔の人の生活と深く係っていたようです。


 和歌が詠まれた時代の人々がススキを美しいと感じていたかどうかはともかく、和歌にはススキの穂に

宿る露を詠んだものや、穂が風にそよぐさまを人の手招きになぞらえて恋人や夫婦の情愛を詠んだものなど数多くあります。

 ススキは屋根をふく材料として重宝されたことでしょうが、萩も茎を束ねて垣根にしたり細い所は(ほうき)に、茎の皮は縄にするなど必需品だったようです。

 めまいやのぼせに効き、強壮効果もあるという萩の葉のお茶も古くから飲用されていたようで、地名や料理屋に萩の茶屋と名の付くものがあちこちにあるのは、昔はそこで旅人を萩茶でもてなしていた名残かもしれません。

 クズは根からくず粉が採れ、茎は籠を編んだり、薪や刈り取った柴を束ねる用途が有りました。

 萩やクズ、ススキを含めて他の七草のそれぞれも古代より観賞以外に薬用として用いられ、今日(こんにち)まで利用されているようです。

 ところで、万葉集に詠まれている花では萩が最も多いそうです。萩は古くには(にわ)()(ぐさ)とも言ったそうで、このようなことからも昔の人には 萩が身近な存在だったことが分かります。

 山上憶良も萩の庭を愛でつつ七草を詠んだのかもしれませんね。


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by str1685 | 2017-09-23 20:28 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2017年 8月)

菅さん提供


コバンノキ(小判の木 落葉低木 コミカンソウ科)          

                         花期5月  果期78

 一昔前に「金のなる木」を育てることが流行ったそうです。木とはいっても多肉植物の多年草で、ある園芸農家が新芽に五円玉を通した状態でそのまま成長させたものを金のなる木と称して販売したところ、縁起の良い名前と物珍しさから大ヒットしたようです。


 金のなる木は南アフリカ原産で木ではなく草ですが、日本には正真正銘の樹木でお金にまつわる名前のコバンノキというのがあります。

 なぜコバンノキと言うのかといえば、黄金色(こがねいろ)の花が咲くわけでも小判の形をした実がなるわけでもなく、葉の形を小判に見立てたことによるもので、小判型に整った幾つもの葉が水平に張り出した短枝の左右に整然と並んでつく様子からはすっきりとした端正な印象を受けます。

 暗紫色の花は数ミリの大きさしかなく詳しく観察するには虫眼鏡が必要なほどですが、それぞれの葉とペアになるように並んで付くので小さいながらも緑の葉とは好対照の美しさがあります。実の方は6mmほどの大きさのブドウのような液果ですが美味しいものではなく食べるには値しません。というより口にした経験からは食べないほうが無難です。

 縁起の良い名前の木ですが園芸界では外国産で葉に白や赤、ピンクの()が入ったヨウシュコバンノキ(洋種小判の木)の方がもてはやされているようです。

 コバンノキを育てて金運にあやかりたい向きには、成金趣味に通じるような派手な外国産より、慎ましやかな印象の在来種をお勧めしたいと思いますがいらぬお世話でしょうか。


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by str1685 | 2017-08-25 17:26 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2017年07月)

菅さん提供


ウスノキ(臼の木 落葉低木 ツツジ科)          

                         花期4月~5月  果期79

 「森の宝石」といえば森の中で見られる美しいもののこと。それが鳥ならブッポウソウやカワセミで、昆虫好きな人に言わせればそれは蝶でオオムラサキやミドリシジミ、はたまた甲虫で綺麗な羽を持ったタマムシやハンミョウだと言う人もいるでしょう。

 木の実で言えばノブドウやムラサキシキブ、サワフタギに木苺などが挙げられますが本命はこのウスノキでしょうか。

 なぜなら赤い実には宝石と呼ぶに相応しい特徴があるからです。それは宝石のカットのような稜(りょう角張り)と、先端に施された五角形のくぼみのある大胆なカットです。

 このくぼみが臼のようであることからこの木の名がウスノキになったということですが、もしも赤いルビーのような宝石を見知っている現代の人がこの木に名前を付けるとしたら、宝石に興味のない人でもこの美しい実を目の前にしたときには迷わず宝石に因んだ名前を付けたくなるに違いありません。

 釣鐘型に咲く花の先端は少し反り返っており、この形は実とそっくりです。良く似た花を付けるものにスノキがありますが、こちらの実はウスノキのようには赤くはならずほぼ球形で黒く熟します。


 色んな木の実でジャムをこしらえるのは楽しいもので、ウスノキのジャムもいつか作ってみたいものの一つです。きっと真っ赤なジャムができそうですが、この木自体が少ないうえに付ける実も少ないので長年山歩きをしていてもその願いはいまだに叶えることができません。

 たやすくは手に入らない希少性も森の宝石としては相応しいのかもしれません。


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by str1685 | 2017-07-12 21:01 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2017年6月)

菅さん提供


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シロミノヤブムラサキは世界で2例しか報告例が無く、非常に貴重な樹木です。

当ブログではその貴重性から公表は永らく控えてきました。

地元では行政にこの樹木の保護対策を求めてきましたが、行政側からは保護対策については

見合わせる旨の回答しか得られませんでした。

そのため、現在は地元の方々がこの樹木を仕事の合間を縫って見守りと管理をされています。

また、一部公表もされている事から今回「今月の樹木」に取り上げることにいたしました。

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シロミノヤブムラサキ (白実の薮紫 落葉低木 シソ科)           

                         花期6月  果期11

 ムラサキシキブやその仲間のコムラサキは高貴な印象のある紫色の実をつけることで庭木としても人気が有りますが、シロシキブやシロミノコムラサキのように白い実をつけるものも何種か知られています。

 シロミノヤブムラサキもムラサキシキブの仲間ですが、その存在はあまり知られていません。その訳は、最初の1本目の発見が90年代初めとごく最近でその後2例目の発見まで永らく情報が無かったことが挙げられると思います。


 シロミノヤブムラサキは名前の通り秋には真珠のような白い実をつけますが、6月に咲く花の方も純白でヤブムラサキの紅紫色の花に比べると質素な印象です。この樹木はヤブムラサキと同様に葉や若い枝、萼に柔らかい毛が密生していて、葉に触るとビロードのような感触が伝わって来ます。若い枝はヤブムラサキの紫色と異なり緑色をしています。


 ヤブムラサキはムラサキシキブと違い、花も実も葉の下に隠れるようにつけるので花の時期も実の時期もあまり目立たない樹木です。つける実はムラサキシキブほど多くなく、その上に毛むくじゃらな萼が目立ちます。そんなところから観賞価値の高いムラサキシキブやコムラサキに比べて見劣りするという意味合いを持つ藪という名前が付けられたようです。

 不名誉な名を付けられた樹木ですが、金を取り込む植物として知られており、金鉱山周辺に多く見られるといわれています。

 マイナーなイメージのヤブムラサキが山あいで密かに白い花、白い実をつけているのに出会えたなら、金鉱脈を探し当てた時の山師のような感動が味わえるかもしれません。

それは同時に、世界で数例目のシロミノヤブムラサキ発見という快挙にも繋がってくる

と思います。


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果実
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by str1685 | 2017-06-14 22:11 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2017年05月)

菅さん提供


ゴマギ(胡麻木 落葉小高木 レンプクソウ科)          

                         花期5月~6月  果期89

 いくつもの白い花が行く先々で爽やかな風を受けて梢の先でそよいでいます。五月晴れの下、山道を歩いているとそんな光景に出会えます。

 それらの花はガマズミやカマツカ、カナメモチ、ヤブデマリと様々ですが、どれも小さな花が寄せ集まって咲き、遠目には一つに見える花たちです。


 そんな花の中にガマズミに良く似たゴマギの花が有ります。この木の特徴は何と言っても名に有る通りのゴマの香りです。葉にはかなりの匂いがあって、千切ったり揉んだりしなくても葉の表面を指先で軽くこすって嗅ぐだけでゴマギの名に偽りがないことが分かります。


 柔らかい若葉の頃であれば調理してゴマの香りを楽しめそうですが、食用になるという話は寡聞にして聞いたことはありません。

 植物の葉の匂いは一つには害虫を忌避する効果も有るといわれていますが、葉には少なからず虫も付くので、ゴマギの強烈な匂いはゴマ好きの虫を呼び寄せる逆効果になっているということはないのでしょうか。


 一方、花の香りはというと甘い香りがするという話ですが、咲き始めの頃も散り際の頃もゴマの香りを嗅いだ経験しかありません。天候などの条件次第では甘い香りがするのかもしれません。

 果期は同科のガマズミより一月ほど早く、同じく同科のヤブデマリとほぼ同時期です。ガマズミの実は完熟しても赤いままですが、ゴマギはヤブデマリと同様に赤い色から完熟状態になってくると黒くなります。花柄が赤くなる点もヤブデマリに似ています。

 ガマズミと同じ科ならば実は食べられるのではないかと口にしてみたことがありますが、ガマズミのような酸味が有るわけでもなく、またゴマの味や香りがするわけでもなく、かなり不味かったような記憶が有ります。


 ゴマのような葉の香りといい、美味しそうな実といい、いかにも食べられそうですが口にはしない方が賢明なようです。


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by str1685 | 2017-05-22 20:03 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2017年04月)

菅さん提供


里山モチツツジ(黐躑躅 半常緑低木 ツツジ科)          

       花期4月~5月  果期810

 早春の山を彩るコバノミツバツツジが咲きそろう頃モチツツジが咲きだします。

 モチツツジの花はコバノミツバツツジの花よりやや大きく花弁の赤い斑点が良く目立ちます。花が開いた後に葉が展開するコバノミツバツツジと違い、花と葉が同時に見られるのもモチツツジの特徴です。
 公園などで見かける植栽されたツツジ類は手入れが行き届き、鮮やかな絨毯を敷き詰めたような景観は見事ですが、山の緑の中に点在するツツジの花も見逃せません。植栽のツツジは種を問わずほとんどが常緑樹のため紅葉は楽しめませんが落葉性のツツジは花も紅葉も楽しめます。


 秋に美しく紅葉するモチツツジの葉は春に出現した葉で紅葉後は落葉しますが、花と同時に見られる細めの葉は前年の夏に形成され、秋には色の変化はあっても落葉せずに枝先に残り、一冬越して春に落葉するということです。

そのためモチツツジは半常緑樹とされています。


 モチツツジのモチは鳥や昆虫を捕まえるのに使う主にモチノキ科の樹皮から採れる粘着物質の「鳥黐(とりもち)」に由来するもので、新芽や花の蕚などがとりもちのように粘るためこの名前で呼ばれていますが、食べる餅に由来するという説も有るようです。


 モチツツジはこの粘着物質で花を昆虫などからの食害から守っているといわれていますが、これにくっついた虫を食べにくる虫もいるそうですから、捕食者にとってはモチツツジのネバネバは願ってもない自然のとりもちということになりますね。

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by str1685 | 2017-04-18 07:58 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2017年03月)

菅さん提供


ユキヤナギ(雪柳 落葉低木 バラ科)          

                         花期3月~4月  果期56

 厳しかった冬の寒さも和らぎ、雪の話題も遠のく三月の半ばころ、雪が降り積もったように白い小花を咲かせ始める樹木が有ります。樹木の名はその名もユキヤナギ。


 公園などで植栽されている姿を間近で見ると、地際から細い枝がいく本も立ち上がって途中で枝垂れ、いかにも柳といった風情の樹木ですが、花の一つひとつは梅の花に似ていてバラ科ということに納得します。
 見た目にはきゃしゃなイメージのユキヤナギですが、自生地となると川沿いの岩場で、増水時には激流が岩を食み、普通の植物ではとても根を張ることができないようなところに生育しています。そのようなところから昔は岩柳とも呼ばれていたようです。
 ユキヤナギの花言葉には、「愛らしさ」「静かな思い」「自由」「気まま」等があり、前者二つは小さくしとやかな白い花の印象から、あとの二つは四方八方に奔放に枝を広げる姿に因んだものかと思われます。

 一方「殊勝」というちょっと堅苦しい花言葉も与えられています。こちらは白くて清楚な花のイメージからとか、花が散った後でも一面が白い花びらで美しいため等といわれていますが今一つピンときません。


 そこで自分なりにこう考えてみました。岩場に育つユキヤナギの姿形からは殊更に激流に抗うという態様は見て取れず、柳に風のごとく流れを受け流し、逆境に耐えながらも何事もなかったかのように毎年枝いっぱいに可愛い花を付ける、そんなけなげさからこの花言葉は来たと解釈すれば、ユキヤナギにはピッタリなように思えますがいかがでしょう。


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by str1685 | 2017-03-20 18:48 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2017年02月)

菅さん提供


イヌビワ(犬琵琶 落葉低木 雌雄異株 クワ科)          

       花期45月  果期910

 立春の声を聞いても時折ちらちら雪が舞う里山の二月。葉を落とした木々の枝先はいかにも寒々とした感じですが、良く見るとそこには春を間近にして寒さに耐え忍ぶ新芽が幾つも付いているのを見ることができます。

 そんな中にビワの実の形に似た小さな実を付けている樹木がイヌビワです。
 イヌビワという名前は、形がビワに似ているがビワに劣るものということから付いたそうです。
 イヌビワはイチジク(漢字で無花果)の仲間ですので外から花を見ることはできません。


 イヌビワが種子を作るのは秋ですが、冬になっても実を付けているのは、イヌビワの子孫繁栄のためになくてはならない共存相手のイヌビワコバチというゴマ粒ほどの大きさの蜂をこの中で越冬させるためで、イヌビワコバチの言わばゆりかごなのです。
 冬に実を付けているのは主に雄株で、花期になるとこの中から花粉を付けたイヌビワコバチの雌が飛び立ちます。雄株の実にたどり着いた雌は実の先端の穴から潜り込んで目出度く産卵できますが、運悪く雌株の中に潜り込んだ雌は産卵管の長さと中の雌花の形の関係から産卵できず、外にも出られず花粉を媒介するだけに終わってしまい中で死んでしまいます。外に出られないのは先端の狭い穴の構造によるもので、花期には潜り込むときに取れた翅を実の先端部で観察することもできます。


 世界の一つひとつのイチジクの種類にはそれぞれに対応する一つひとつの小蜂の種類がいることが知られています。つまり一対一の共生関係にあって、どちらかが絶滅すればもう片方も絶滅してしまうという関係にあるわけです。この辺りの研究は多くの人の手でなされていますので詳しいことはそちらに譲るとして食べる話にいたしましょう。
 イヌビワの雄株の実はカスカスで食べられませんが、雌株の方はジューシーで実から透明の蜜が垂れるころには甘くなって食べられます。すごく美味しいというほどではありませんが、これがジャムにすると絶品でクラッカーとよく合います。もちろんこのジャムは、実の中に居たイヌビワコバチも食べることになるので、動物性タンパク質も採れる優れもののジャムなのです。


 なお、市販のイチジクは蜂には頼らずに育つイチジクだそうですので、食べても動物性タンパク質の摂取は期待できません。


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by str1685 | 2017-02-12 20:29 | 今月の樹木 | Comments(0)

今月の樹木(2017年年01月)

菅さん提供

ツクバネガシ(衝羽根樫 常緑高木 ブナ科)          
                         花期5月  果期10月

 正月の女の子の遊びといえば昔は羽子板で羽根を打ち合う羽根つきが相場と決まっていましたが、その羽根の形に良く似た葉を付けるブナ科の木がツクバネガシです。

 枝の先端に葉がまとまって付いている様子は確かに羽根を連想させますが、勢いのある若い枝では葉は互生の形で付いており、年数が経つにつれ枝の元に近い方の葉から次第に落ちて来て枝先に残った葉が羽根の形に見えるようです。したがって、羽根の形になっているということだけを手掛かりにツクバネガシを探してもなかなかこの木と特定することは困難です。大木であれば枝の成長が止まった木の元の方の枝を見れば比較的羽根の形の葉を見つけることができますが、ツクバネガシとアカガシの雑種といわれているオオツクバネガシも葉の特徴などが似ていますので同定作業には葉の特徴を良くつかんでおくことが大事です。

 ツクバネガシのどんぐりが成熟するのは、他のブナ科のいくつかの木でも見られる、いわゆる2年成といわれる成長の仕方で花が咲いたその翌年になります。
 どんぐりは先端の出っ張りの所が段上になっていて、殻斗(かくと=お尻の方のお椀状の物)にはギザギザに切れ込んだ環状の線が重なっているのが観察できます。

 遊び道具として子供には人気のあるどんぐりですが、世の中には色々などんぐりを食べてみたいという人もいるようで、その人達の話をまとめるとツクバネガシのどんぐりは多くのどんぐりの中でもアクが強い方でアク抜きには手間と時間がかかるとか。

 昔は草木灰から灰汁(読みはアク)を採って様々な用途に使いましたが、ツクバネガシから作る灰汁が他の木の物より上質だったのか、この木を灰木と呼ぶ地方があるようです。もしそうだとしたらこの木のどんぐりのアクが強いのもさもありなんという気がします。

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by str1685 | 2017-01-14 20:42 | 今月の樹木 | Comments(0)