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今月の草本(2013年10月)

菅さん提供

キクバヤマボクチ (菊葉山火口 キク科)           
                    花期10~11月  

 秋の山里を歩いているとアザミに似た花を目にすることがあります。葉にアザミのような鋭い棘が無く、茎の下部の葉がキクの葉のような切れ込みが有ればヤマボクチ属のキクバヤマボクチであることが分かります。花の色は淡黄色や紅紫色のほか淡紫もあるようです。漢字では菊葉山火口で、火口(ほぐち)とは、火打石を打って出た火花を移しとって火種にするときに用いるもので、ヤマボクチ類の葉の繊維も良く利用されたことからこの名が付いたようです。

 キク科の植物の葉の中には繊維質を多く持ったものがあり、お灸に使うもぐさもキク科のヨモギの葉から作られています。乾燥したヨモギの葉を掌で根気よく揉んでいるともぐさができますが昔の人も同じようなやり方でヤマボクチ類から繊維を取り出したのでしょうか。

 信州にはキクバヤマボクチによく似たオヤマボクチから採った繊維をつなぎとして打ったボクチ蕎麦なるものがあるそうです。蕎麦のつなぎには一般的には小麦粉を使いますが、小麦粉を足すと蕎麦の風味が幾分失われてしまうところをオヤマボクチの繊維は蕎麦の風味をそのままにつなぎの役割をしてくれる優れものだそうです。

 風味豊かなボクチ蕎麦、一度味わってみたくなりましたね。

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by str1685 | 2013-10-28 07:56 | 今月の草本

里山の整備・管理活動を行い、自然に親しみながら会員の親睦と健康維持などを目的としています。


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